減税(節税)が受けることができる、つみたてNISA(ニーサ )では、指数に連動したETF(上場投資信託)を運用することができます。
しかし積立NISAでのETFでは、通常のネット証券が取り扱いをしているETFの種類と比較しても圧倒的に商品数が少なく、デメリットの方が目立ってしまう場合が多くあります。
この記事では積立NISAで運用可能な対象ETF商品の特徴と、運用する価値があるのかデメリットを含めてご説明して行きます。
積立NISAで運用可能なETFについて
ETFとは「上場投資信託」と言われる金融商品の1つです。
普通の投資信託はファンドマネージャーが集めたお金を使って株式を買います。
一方でETFは、投資信託を株式のようにしてその権利を売買します。
ETFは投資信託で徴収される信託報酬(管理手数料)が格安なことがメリットです。
このようにちょっと変わったETFが積立NISAでも運用できるようになりました。
ETFはいくつかの株価の平均である場合が多いので値動きが安定している特徴があって運用しやすいけど、あまり積立NISAでは聞かないわね。
積立NISAで運用できるETF
積立NISAでは3本のETFに投資することができます。(2018年9月時点)
ETFの名前 | 信託報酬 | 管理会社 | 取扱会社 |
---|---|---|---|
ダイワ上場投信 日経225 | 0.1728% | 大和投資信託 | 大和証券 |
ダイワ上場投信 日経TOPIX | 0.1188% | ||
ダイワ上場投信 JPX日経400 | 0.1944% | ||
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド | 年0.09264%程度 | SBIアセットマネジメント株式会社 | SBIアセットマネジメント株式会社 |
日経225(日経平均)や日経TOPIXはニュースでも良く聞かれる指標です。
JPX日経400とは東京証券取引所が成長力のある400社を厳選した指標です。
【参照リンク:JPX日経400 東京証券取引所ホームページ】
ネット証券はETFをどのように扱っているの?
ETFに投資できる証券会社は大和証券だけ?
これら魅力的なETFですが、積立NISAとして投資できるのは大和証券のみです。
ネット証券大手のSBI証券や楽天証券では、一般口座で国内・海外合わせて数百本のETFの売買をすることができます。
しかし、これらのETFは積立NISAとしては取り扱っていません。
ネット証券大手のSBI証券や楽天証券ではこれらETFと同じ指標を使ったインデックスファンド(投資信託)を積立NISAで運用できるようにしています。
(追記)2019年9月 SBI証券で積立NISA対応のETFがリリース!〜しかもバンガードファンド
ファンド名 | SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド |
---|---|
運用の特徴 | 米国の代表的な株価指数である、S&P500指数(円換算ベース)に連動するETFに投資をする。 |
信託報酬(税込み) | 年0.09264%程度 |
運用会社 | SBIアセットマネジメント株式会社 |
2019年9月にSBI証券から初となるバンガードファンドが登場しました。
米国の時価評価額をもとに500社の企業の株価に連動した数値で、これまで大きなパフォーマンスを見せてきた投資信託になります。
また積立NISAについても対応しているということで、SBI証券でのファンド運用にもさらに注目を集めそうです。
楽天証券・SBI証券には「ETFに投資する」ファンドがある
ところが、楽天証券やSBI証券でもETF投資ができる方法があります。
キーワードは「楽天・バンガード」「SBI・雪だるま」です。
【ETFに投資する積立NISA対象ファンド例】
ファンド名 | 信託報酬
(手数料) |
投資対象ETF |
---|---|---|
楽天・全世界株式インデックスファンド | 0.23% | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF |
楽天・全米株式インデックスファンド | 0.17% | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
SBI・先進国株式インデックス・ファンド(雪だるま) | 0.12% | シュワブ U.S. ブロード マーケット ETFなど |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま) | 0.15% | シュワブ U.S. ブロード マーケット ETFなど |
SBI・新興国株式インデックス・ファンド(雪だるま) | 0.19% | シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF |
一般的な株式ファンドは投資家から集めたお金で株式に投資します。
一方でこれらのファンドは集めたお金でETFに投資するのです。
このようなファンドを「ファンド オブ ETF」と呼びます。
(ここではETFファンドと呼びましょう)
楽天証券のETFファンドはバンガードと提携している
楽天証券のETFファンドはアメリカのETF運用会社大手のバンガードと提携して販売しています。
バンガードは自社が開発し上場させているETFを使った運用で高い実績を残しています。
SBI証券のETFファンドは手数料の安さで楽天バンガードに挑む
一方でSBI証券も同様のETFファンドを販売しています。
こちらは「シュワブ」と呼ばれるアメリカのETF運用会社と提携しています。
楽天証券・SBI証券のどちらがオススメか?
手数料の安さではSBI証券
積立投資では「手数料の安さ」がファンドを選ぶ重要項目だと言われています。
その点から見ればSBI証券の「雪だるま」に軍配が上がります。
規模と実績では楽天証券がオススメ
ところが、実際にETFを運用する会社を見れば話が変わります。
ETFへの投資や運用はアメリカでは大きなマーケットになっています。
その中で、バンガードは業界2位のポジションにいます。
さらに上位3社だけで70%程度のシェアを有しています。
また、バンガードは世界で初めて個人投資家向けにインデックスファンドを販売しました。
したがって運用の実績も十分なものがあると言えます。
「価格勝負」のファンドに限界は?
一方でSBI証券と提携しているシュワブは元々手数料の安さを売りにしていたバンガードをさらに下回る手数料でシェアを取ってきました。
しかし運用資金の総額ではバンガードの足元にも及んでいません。
SBIは複数のETFを組み合わせている
少し難しい話ですが、SBI証券の方は複数のETFを組み合わせてファンドを形成しているものがあります。
一方で楽天・バンガードは一本のETFだけで成り立っています。
これは、SBI証券の方は一本のETFで目的にあった分散投資ができないということを指します。
したがって金融商品の完成度としては楽天・バンガードの方が一枚上手だと言えます。
「積立NISA」はいずれも格安なファンド
あとはこの手数料の差をどこまで気にするか?になってきます。
積立NISAで投資できるファンドはいずれも手数料が格安なものとなっています。
さらに楽天証券の場合、楽天ポイントの還元やポイント自体を投資資金にできます。
楽天の他のサービスと組み合わせれば、手数料差は関係ないかもしれません。
まとめ
ETFは投資のプロも絶賛する完成度の高い金融商品の1つです。
積立NISAとの相性はイマイチですが、ファンドオブETFを使えばよい投資ができそうです。
特に楽天証券ではアメリカの大手資産運用会社の実績あるETFに投資することができます。
NISAの特徴と積立NISAの比較は「NISA(ニーサ)口座とは?節税で賢く運用〜特徴とメリット・デメリットについて」の記事を参考にしてください。