確定拠出年金であるiDeCo(イデコ)では、職業別に運用する掛け金が毎月変わっているため、金融機関(SBI・楽天証券会社等)のiDeCoに加入していて転職をする場合には、変更手続きが必ず必要になります。
iDeCoで転職する際に手続きをしていないと、管理手数料が発生したり、運用がされないなどデメリットが発生するため注意が必要です。
また就職先が企業の場合には、企業型の確定拠出年金の加入が必須で、iDeCoの運用を禁止しているところがあるので、その場合にもiDeCoの解約の手続きが必要になります。
iDeCoのタイプ別加入の種類
iDeCoは「確定拠出年金」のため、従来の年金制度にそったルールが使われます。
まず、年金の加入の種類についておさらいしてみましょう。
年金加入の種類
名称 | 職業 | ポイント |
---|---|---|
第1号被保険者 | 無職・自営業・フリーターなど | 自分で納付する必要がある |
第2号被保険者 | 会社員・公務員 | 厚生年金と国民年金に同時加入 |
第3号被保険者 | 主婦(配偶者の扶養家族) | 年間収入130万円以下 |
このように、年金の加入者は3つの種類に分けられています。
そのため転職や退職でタイプが変わることがあります。
また会社員や公務員の場合、職場ごとに年金のルールが違います。
そこで次の章では、実際によくある「タイプの変わるケース」とその時にiDeCoの手続きについて説明します。
iDeCo加入で転職や退職するパターン
よくあるケース | ポイント |
---|---|
企業から他の企業への転職 | 転職先の年金制度によって手続きが変わる |
企業から自営業への転職 | iDeCoの運用枠が広がる |
企業を退職して主婦になる | 企業時代の年金をiDeCoに移す作業が必要なことも |
①企業から企業へ
この場合、前職と転職先が行っている年金制度について確認する必要があります。
一番問題になるのは「企業型DC(確定拠出年金)」や「企業型確定給付年金(企業年金)」がある場合です。
企業によってはiDeCoの運用を取りやめて、その資金を企業の年金に移す作業が必要になります。
企業ごとのルールを理解されたうえで、担当者に必要な書類を提出すれば多くの事務処理を行ってくれます。
②企業から自営業に
この場合、iDeCoは継続して運用することができます。
さらに自営業者は運用可能額が大きいので、厚生年金が減った分をiDeCoに加えることができます。
手続き面に関しては「第2号」から「第1号」に変わるための手続きが必要です。
なお、国民年金の納付が無い人や免除されているとiDeCoへの加入ができないので注意してください。
③企業を退職して主婦に
このケースでも「第2号」から「第3号」に変更する手続きが必要です。
なお、先ほど述べた「企業年金」や「厚生年金基金」をiDeCoに移すことができます。
こちらに関しては退職が決まった時点で、担当者に確認されておくことをオススメします。
iDeCo加入で転職する場合に手続きをしていないと手数料が発生する。
転職・退職時にするiDeCoの手続きは早めにされることをオススメします。
それには以下のようなルールが定められているからです。
転職・退職からの期間 | 期間を過ぎると制限されるもの |
---|---|
3ヵ月 | 企業年金連合会からiDeCoへの移換 |
6ヶ月 | 企業型確定拠出年金からiDeCoへの移換 |
1年 | 厚生年金基金・企業型確定給付年金のiDeCoへの移換 |
この中で特に注意してほしいのは「6か月」のものです。
この期限を越えた場合、これまで積み立ててきた企業型確定拠出年金が自動的に国民年金に移動させられます。
(これを自動移換と呼ばれています)
自動移換には「資産運用がされない」「手数料が別途必要」「受給可能年齢が遅れる場合がある」というデメリットがあります。
だから転職・退職することがわかったら、iDeCoを開設している金融機関(証券会社)に確認することが必要ね。
SBI証券や楽天証券での手続きに違いはあるの?
ところで、転職や退職におけるiDeCoの手続きは運用する金融機関によって違いはあるのでしょうか。
SBI証券では、専用の問い合わせフォームからの申し込みになります。
楽天証券では専用ダイヤルでの問い合わせが必要です。
このように各社とも申し込み方法に違いがあるようです。
まとめ
iDeCoは年金制度なので制度特有のルールがあります。
転職や退職で年金のタイプが変わるので、iDeCoにも変更の手続きが必要です。
手続きが遅れると手数料が発生することや、思うような運用ができなくなる場合があります。